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金融史からみた南北戦争 その1

このページで焦点を当てるのは、南北戦争(1861年−1865年)です。
当時、奴隷は個人の私有財産であるというのが常識だったので、リンカーンが奴隷廃止論者で
あるという教科書の説明を胡散臭く思ったものでした。
では、アメリカ合衆国 23州 VS アメリカ連合国 11州 の戦いを金融史から眺めてみます。
 
 
 −この戦いにおけるわたしの最大の目的は連邦を救うことであり、奴隷制度を救うことでも破壊
 することでもない。一人の奴隷も解放せずに連邦が救えるなら、わたしはそうする。すべての奴隷
 開放すれば連邦が救えるなら、そうするだろう。一部の奴隷を解放して残りを放置すれば連邦が
 救えるなら、そのとおりにする−
                                        エイブラハム・リンカーン
 
ここでの焦点は、なぜ連邦を維持することを選んだのか、なぜ南部は分離独立を望んだのか?
ということにある。
 
アメリカ南部は農業地帯で、工業製品を北部か欧州から買わねばならなかった。一方、北部は
南部産の綿の市場になっていた。
この工業製品はの欧州の方が安かったので、北部は連邦政府を通じて自国の産業を保護しよう
とした。すなわち、関税をかけたのである。
 
これに対する欧州は、綿の輸入を中止するという報復措置をとった。結果、南部諸州は大打撃を
こうむることになる。
 
リンカーンは共和党で、基盤は北部の産業に依存していた。つまり、支持者の大半は、保護主義
と経済優遇政策を望んでいたのである。
 
 
さらに欧州勢力がラテンアメリカの市場に関心を向けていた。
欧州の列強は、アメリカ国内で内戦が起これば、ラテンアメリカへ介入しても、相手をしている暇は
ないと予測した。こうして、欧州の貴族社会は、南部連合へ肩入れすることになる。
 
欧州の銀行家にしてみれば、アメリカがひとつの国にまとまっていると、経済的に独立を達成する
かもしれず、自分たちの金融支配を覆すかもしれないと恐れていた。もし、アメリカが債務負担に
まみれたふたつの国家に分かれれば、大量の戦利品獲得の機会が生まれる。そこで、奴隷制の
問題を煽って、南北に楔を打ち込もうとしたのだ。
 
開戦より、数ヵ月後。メキシコはフランス領となり、イギリスはカナダへ侵攻していた。
欧州の包囲網が着々を進められるなか、予想外の出来事が生じた。
 
北部に味方して参戦する用意があると伝えてきた国があったのだ。
それはロシアであった。
 
 
金融史からみた南北戦争 その2 へつづく

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